
上京後に考えられる借地権付き物件の相続について
上京して最初は、人の多さや物価の高さに戸惑があっても、いつしか東京での快適な生活を楽しむようになり、ゆくゆくは東京にマイホームを構え一生住みたいと考える方も多いでしょう。(関連記事:「東京の魅力って?」)ですが、上京後しばらくした後、故郷に住んでいる親御さんが住んでいる「実家の土地・家の相続」などの問題が起こるかもしれません。実家の相続の話が決まっていなかったり、現時点で考えていられなかったりすると、そんなに遠くない未来に相続で困ってしまう事態になりかねません。特に実家が通常の土地ではなく「借地権付きの物件」だった場合には予備知識として次のことを頭に入れておいた方がいいかもしれません。

実家の土地が借地だった場合
借地権は借地借家法第2条1号で定義されています。内容を分かりやすく説明すると、「地主さんに地代を支払って、その土地を借りられる権利」のことで、つまり土地は地主さん、家はご自身と所有者が異なる物件を指します。親御さん、あるいはそれ以前からそうした借地権の契約を結んでいたことが考えられ、借地権は相続もできる権利になります。
そのような特殊な物件を相続する場合にはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
借地権の相続はできる
もし、借地権を持った両親(被相続人)が亡くなった場合、相続人は借地権を相続するために、地主の承諾は必要ありません。地主へ「土地を相続をした」という旨を連絡するだけで良いとされています。口頭でも問題はありませんが、ゆくゆくトラブルが起きる可能性を考えて、通知で行う方法も一つの手です。建物の所有権は、相続人名義への変更が必要なので注意しましょう。
地主から「相続人に貸した覚えはない」と言われ、名義変更料や承諾料を要求されるケースがありますが、法的には支払い不要とされています。場合によっては立ち退きを求める場合もあるようです。
中には、借地権者が亡くなった場合に、地主から更地返還を求められるケースもあります。通常返還の必要はありませんが、土地賃貸借契約書に一代限りで土地を明け渡すとの記載があれば、その特約に沿って動かなければなりません。地主からの一方的な要求が激しい・土地賃貸借契約書に特約がある場合は、弁護士に相談しましょう。
地主の許可がおりれば売却も可能
一番望ましいのが、実家に帰ってそこで住むことですが、東京ですでにマイホームを購入している・仕事や家族の都合上実家に戻るのは厳しいといった事情が出てくるかもしれません。その場合は、売却することも視野に入れて動きましょう。
相続した借地権は、地主から売却の承諾を得られたら売却可能です。「とりあえず相続して、それから売却を検討する」というケースだと、固定資産税が発生しますし、地方に実家がある場合だと買い手がつきにくいかもしれません。
実家を貸すという手もありますが、老朽化が激しい場合はある程度のリフォームの検討が必要です。しかし、大がかりなリフォームや間取り変更を行う際は、地主の承諾が必要になりますし、それなりに費用もかかります。住む可能性が無いのであれば、売却する前提で動いたほうが望ましいでしょう。
そもそも、地主が売却に応じない可能性も大いに考えられます。地主と意見が合わない・話が進まない場合は、地主と条件交渉を行ってくれる不動産会社へ相談するのが得策です。
「借地権の相続における留意点」トラブルにならないために | 借地権について | 株式会社マーキュリー
借地権の相続において留意すべき点をまとめました。遺産分割協議や相続税の手続き等は、トラブルの元となり易いため、注意が必要です。安心・確実な相続を実行できるよう、弊社の専門家が全力でサポート致します。
借地権付き物件は一般的な不動産会社では取り扱いが無いほど、ある意味特殊な物件だということいえます。ですから、借地権を専門に取り扱う不動産会社に先ずは相談することから始めてはいかがでしょうか。
まとめ
もうすでに自分のマイホームを持っている場合や、実家と遠く離れて上京してきたため戻るつもりは無い場合などこれからも必要がない「借地権付きの物件」を相続することになったら、売却を考えることになるかと思います。しかしながら借地権付き物件はこれまでの地主さんとの関係性や家を自由にリフォームしたり相続してりできないことがあるため、一般の物件のように単純な売却が叶わないケースも多々あります。一般の不動産会社では取り扱われない借地権付き物件に特化した不動産会社を見つけ相談をすることをおすすめします。